研究成果の概要 |
粒子線治療の照射野可視化手法ではPositron emission tomographyが先行している。陽電子放出核は生理学的効果による洗い出しのため画質が悪化する。本研究ではこの補正に必要な洗い出し速度の定量とそのメカニズムの解明を試みた。ラットの脳の照射実験から2成分を仮定した洗い出し速度は0.54, 0.011 min-1で、早い方は脳血流の速度に近い。また脳血流を増加させるアセタゾラミドを投与した場合、投与群の速度が下がり、アセタゾラミドが炭酸脱水酵素の阻害剤であるため陽電子放出核のC11は生体中でCO2になったと推測できる。本研究は、洗い出しの基礎データの提供と機序の理解に貢献した。
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