健常者と高齢者を対象とし,リーチ動作課題,重錘落下課題,及び外乱刺激課題を繰り返し行なった時の運動パフォーマンスの改善と姿勢学習の関係を調べた.動作課題を繰り返し行うと運動パフォーマンスが改善するだけでなく,姿勢学習も起こった.健常者と比べて多数回の試行を要するが,高齢者においても各課題で姿勢学習が起こった.これらの結果は,運動課題を繰り返し行うことで姿勢制御の学習が起こり,姿勢が安定し,転倒の危険性を低下させることを示唆している.姿勢の動揺を引き起こす運動課題の繰り返しは姿勢の安定性やリハビリテーションに重要であろう.
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