本研究では各年代の肩甲骨周囲筋群について超音波診断装置を用い、各筋の筋厚を測定し、質的評価には表面筋電図を用い、各筋の筋活動を測定し、各年代間の相違点を検討した。現在まで58名の健常被験者(20-30代18名、40-50代13名、60-70代27名)の測定を完了し、肩甲骨周囲筋の中でも僧帽筋下部線維のみ加齢に伴い筋厚が薄くなっている傾向がみられた。また筋電図データからは各年代によって違いはみられず、パターンの相違は認められなかった。このことより、肩甲骨周囲筋の中でもすべての筋が加齢とともに萎縮や弱化が起こるのではなく、特定の筋のみが萎縮や弱化を起こす可能性が考えられた。
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