本研究では慢性腰痛及び頚部痛患者に対してトリガーポイント(TP)への徒手圧迫刺激が脳血行動態、脳活動及び自律神経活動に及ぼす影響を近赤外分光法、脳波、心拍変動周波数解析により検討した。慢性頚部痛に対してTP圧迫刺激は非TP圧迫と比較し有意に疼痛を軽減、前頭前野領域のOxy-Hb濃度及び交感神経活動を減少、副交感神経活動を増加させた。また自律神経活動の変化は、前頭前野の脳血行動態及び主観的疼痛スコアと有意に相関した。慢性腰痛に対してTP圧迫は、休息期と比較し有意に前頭前野のOxy-Hb濃度を減少、α波帯域を増加、主に前頭葉、頭頂葉、後頭葉領域の皮質間コヒーレンスを増大させることが明らかとなった。
|