本研究では,不動によって惹起される拘縮の新たな治療方法の確立を目的に,磁気刺激や電気刺激により誘発する筋収縮運動が拘縮の発生・進行ならびにその病態の一つである線維化の発生・進行におよぼす影響についてラット足関節拘縮モデルを用いて検討した. その結果,不動状態に曝したラットヒラメ筋に磁気刺激や電気刺激により周期的な単収縮を負荷すると,線維化の発生が軽減されて拘縮の進行が抑制されるが,強縮を負荷しても線維化は軽減されず,収縮様式の違いにより拘縮の進行抑制効果が異なることが示唆され,骨格筋への周期的な単収縮の負荷は拘縮の新たな治療方法の一つになり得る可能性が示唆された.
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