本研究においては、モデル動物を対象として、遠心性収縮と求心性収縮という異なる筋収縮様式を付与するモデルから、それぞれの筋収縮様式により生じるメカニカルストレスが、筋腱複合体および骨接合部であるエンテーシス部に及ぼす影響について解析を行った。各関節の筋腱接合部の構造を解析した上で明瞭なエンテーシス構造を示す肩関節における棘上筋の骨接合部、および膝関節における大腿四頭筋(膝蓋腱)骨接合部を解析対象とした。結果として、棘上筋部では明瞭なメカニカルストレスの影響は観察されなかったが、膝蓋腱部においては周囲組織と比較して膝蓋下脂肪体部において、遠心性収縮により炎症が惹起されやすい傾向が示された。
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