• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

「息切れ」に対して呼息時低周波電気刺激は有効か:慢性閉塞性肺疾患への展開

研究課題

研究課題/領域番号 24700547
研究機関大阪府立大学

研究代表者

伊藤 健一  大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (30342223)

キーワード慢性閉塞性肺疾患 / 電気刺激 / 呼息 / 息切れ
研究概要

背景:本研究の目的は,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対する電気刺激を用いた呼息フィードバックが安静時および運動時の息切れと換気機能に及ぼす影響を明らかにすることである。
方法:対象はCOPD患者のボランティア24名で,プラシーボ群(n=12)と呼息時に同調して電気刺激を行う呼息時電気刺激群(PESE)(n=12)に無作為に割り付けた。これらの対象者に対し安静3分,エルゴメータによる運動5分,リカバリー5分の計13分からなる運動プロトコルの遂行を課し、ベースライン(=「介入なし」)のデータを計測した。十分な休憩の後、再度同じプロトコルの遂行を課し、「介入あり」(プラシーボあるいはPESE)によるデータの計測を行った。測定項目は分時換気量(VE),1回換気量(TV), 呼吸数(RR),吸気時間(Ti),呼気時間(Te),呼吸時間(Ttot), 死腔換気率(VD/VT), 息切れ(Borg)である。
結果:プラシーボ群のベースラインと介入の比較では,安静時・運動時とも明らかな変化は認められなかったが,PESE群のベースラインと介入の比較では安静時・運動時とも有意なTVの増大,RRの減少,Tiの延長,Teの延長,Ttotの延長,VD/VTの減少を認めた(P=0.002-0.034)。Borgについては両群ともに有意な改善を認めなかった。
まとめ:本研究の結果よりPESEが安静時および運動時の換気効率を改善することが明らかとなった。PESEによってこのような効果が得られた要因としてバイオフィードバックの効果が考えられる。「息切れ」の改善に有効でなかった理由としては研究対象者の障害が軽度であったことが関連しているものと思われた。よって本来このようなリハビリテーションが必要と思われる中等度から重度のCOPD患者を対象にした継続研究が必要と思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 簡易携帯型呼吸運動支援装置の開発と臨床効果2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤健一
    • 雑誌名

      ふれあいの輪

      巻: 17巻 ページ: 16-18

  • [学会発表] Effects of phasic electrical stimulation during expiration in elderly patients with chronic obstructive pulmonary disease: A randomised control trial

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Ito
    • 学会等名
      European Respiratory Society Annual Congress 2013
    • 発表場所
      Barcelona Spain

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi