研究課題
我々はMEG 計測装置を用いて,運動開始前に観察される運動磁界に着目し,視覚反応課題の大脳皮質活動の解析に取り組んできた.これまでの実験により運動磁界の安定した記録が可能となり,大脳皮質での階層的情報処理の一部が解明された.本研究はこれまでの実験を発展させ,ヒトの運動前野の機能的役割を明らかにすることが目的であった.計画していた具体的な研究項目は,MEG 計測装置を用い,1)運動前野の活動を捉える計測システムの構築,2)運動遂行時における運動前野の機能解析,3)経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を使用し,運動前野の興奮性を向上させた際の視覚誘導性運動の変化を捉えることとした.本研究では306chMEG 装置を用い,視覚反応課題はKurata K(1999)らのサルを対象とした実験手順を参考にして行った.運動前野は視覚誘導性運動,また運動待機状態に著明に活動するとされる.初めは単純刺激として色や形に変化をつけ,特定の刺激に対してのみ運動する単純な課題から研究を開始し,その後運動開始前の待機状態で顕著に活動が見られるとされる運動前野の報告を参考にし,予告刺激から運動刺激(指示刺激)を提示するといった視覚提示に工夫を加えた.上述のように視覚提示,運動遂行の両面より課題を検討し,運動前野の活動を捉える計測システムを構築する.これによりさらなる運動前野の機能的役割を明確にすることができると考えられる.
すべて 2013 その他
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http://www.nuhw-pt.jp/