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2012 年度 実施状況報告書

高次脳機能障害者に対する経頭蓋直流電気刺激の自動車運転能力への効果

研究課題

研究課題/領域番号 24700575
研究種目

若手研究(B)

研究機関産業医科大学

研究代表者

加藤 徳明  産業医科大学, 医学部, 助教 (50593365)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード経頭蓋直流電気刺激
研究概要

本研究では,経頭蓋直流電気刺激(tDCS)が高次脳機能障害者の注意機能及び自動車運転能力を改善するかを明らかにする目的で、無作為化臨床試験(RCT)を実施する計画である.平成24年度は,研究の準備,備品の購入,2名の被験者へ経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を実施した.7日間,2日20分,2mAのtDCSの介入を実施した.介入前後でいずれの患者においても,注意機能検査のTrail Making Test partB,視覚性記憶検査のRey複雑図形3分後再生,簡易自動車運転シミュレーターの認知反応時間の平均が改善した.その他に患者Aは失語症を合併していたが,聴覚的理解,発話ともに改善し,患者Bは左半側空間無視を合併していたが半側空間無視が改善した.これは,近傍の言語野への影響や全般的注意の改善に伴う方向性注意の改善によると考えられた.また,UFOV検査においては,患者Aは配分的注意や選択的注意課題での改善を,患者Bは処理速度課題で改善を認めた.標準注意検査法やシミュレーター検査のその他の測定項目は2症例で合致した結果が得られていない.以上の結果よりtDCSにより注意機能を含む何らかの機能改善は見込めると判断でき,その改善により自動車運転能力の改善を示す可能性は十分にある.また,学会発表に関しては,高次脳機能障害者の自動車運転に関する発表を高次脳機能障害学会で行った.運転と認知機能研究会では,本研究でターゲットとしている注意機能と自動車運転に関する演題があり,注意機能と運転能力がどのように関わっているのか情報収集を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

交付申請書には,平成24年度は6名の患者に実施する予定であった.しかし,直流電気刺激装置は速やかに購入できたが,注意の配分要素を含み自動車運転と関連するUFOV検査とタッチモニターの準備が遅れ,2名の被験者しか実施できなかった.またSham刺激対象者は1名も実施できておらず進行状況はスムーズとは言えない.

今後の研究の推進方策

平成24年度に2名に実施でき研究の流れは把握できたため,平成25年度で症例を増やし結果の集積を進めたい.平成25年度は10例に実施する予定とし,達成可能な人数と判断している.平成24年度の2名は純粋な注意機能障害ではなく合併症を伴っており,結果も一定の傾向とは言えず,今後は選択基準に合致した症例で検討を進める.

次年度の研究費の使用計画

必要備品は初年度に購入したため,消耗品で電極パッドやケーブルなどの破損があれば購入が必要である.学会発表・参加は3回予定しており,旅費,参加費が必要である.平成24年度で主要な物品の購入は終了したが,端数が生じたため繰越金が若干発生した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高次脳機能障害者の自動車運転状況と神経心理学的検査の比較2012

    • 著者名/発表者名
      加藤 徳明
    • 学会等名
      第36回日本高次脳機能障害学会学術集会
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター(宇都宮)
    • 年月日
      20121122-20121123

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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