研究課題
平成24年度までにおいて,実験システムを構築し,また下肢モデルの妥当性を検討した.本年度は,構築した実験システムを用いて大腿・下腿接触力の測定実験を進め,被験者を増やして個人間のばらつきなどを検討した.また,下肢モデルの妥当性の検討については,前年度までに協働筋の筋力比を可変パラメータとして扱い,実測データと近い値を得ることができていた.本年度は,モデルの改良として,筋力の関節中心まわりのモーメントアーム長を関節角度の関数として扱うことで,より現実に近いモデルとすることができた.しかし,前年度で未解決であった,協働筋の筋力比を定めるための条件については未解決のままであり,今後の検討課題として残った.このことは,後述する下肢全体の動作測定,あるいは全身の動作にまで拡充した検討が必要である可能性があり,多方面から解決の糸口を探る予定である.また,「さまざまな膝深屈曲動作中の膝関節力を算出する」計画については,特に和式生活特有の,床の上に直接腰を下ろす座位動作に着目し,それぞれの動作中の関節角度の測定を行った.正座のほか,胡坐,横座り,長座位,しゃがみこみ動作などを対象とした.膝関節力の算出に必要な床反力などの外力の測定が行われておらず,膝関節力を算出するには至っていない.しかし,各種の座位動作における股関節と膝関節の角度を総合的に把握できたことは有意義であり,今後の膝関節力算出に利用するのはもちろんのこと,前述の未解決課題である「協働筋の筋力比を決定する条件」に対する示唆を得るものであった(協働筋の筋力比を定める上では,二関節筋の機能を把握することが重要であるため).
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