自分の体が自分自身のものであるという感覚は、自己身体所有感と呼ばれる。この自己身体所有感は、触覚、固有受容覚および視覚などの多感覚統合により成り立っていると考えられている。近年、慢性疼痛患者において自己身体所有感が破綻していることが数多く報告されている。本研究では、感覚情報の不一致による自己身体所有感の喪失状態が体性感覚情報処理に与える影響を脳磁図を用いて検討した。結果、自己身所有感の喪失により、一次体性感覚野の活動が増大することを示した。この活動は、多感覚統合における情報の不一致を検出する信号であることが示唆された。
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