流暢性形成訓練は発話の流暢性の障害である吃音の言語訓練として一般的に用いられている。訓練室内のみではなく自宅等で継続的に練習を行うことが必要であるが、練習者自身が適切に発話訓練ができているかどうかを客観的に判断するのは困難である。そこで、本研究では、流暢性形成訓練のうちのひとつである発話速度のゆっくりとした速さへの調整に焦点を当て、発話速度を視覚的に練習者へフィードバックすることによって言語訓練の補助を行う練習補助を行うシステムを開発し、発話練習の実験を行った。実験では、目標の速度にした時間伸長音声を復唱後に速さを維持する課題を行った。3回のセッションに分け、2セッション目のみ発話速度を視覚的にフィードバックした結果、吃音群、非吃音群ともに第1セッションに比して第2セッションにおいて発話速度が低減していることがわかった。さらに、フィードバックを外した第3セッションにおいても速度の低減の効果が保持されることが分かった。また、発話速度の表示システムを貸し出して連日練習を行った結果、4名中3名は7日以内で目標とした発話速度よりゆっくりにすることができるようなった。
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