近赤外分光法(NIRS)は非侵襲に脳活動に依存した酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビンの変化を計測する脳機能計測法である.近年,NIRS計測信号には頭皮血流を由来としたアーチファクトが少なからず混入することが報告されている.そこで本研究は,少数の短距離Probeを配置することにより局所の頭皮血流を計測することで,計測領域全体に重畳する頭皮血流を推定し,NRS信号から頭皮血流成分を除去する手法を提案した.短距離Probeによる計測データから主成分分析により頭皮血流を推定し,一般線形モデルの説明変数として用いることで,頭皮血流アーチファクトを計測信号から除去することが可能となった.
|