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2012 年度 実施状況報告書

三次元動作解析を用いた痙縮の定量的評価

研究課題

研究課題/領域番号 24700584
研究機関独立行政法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

尾崎 健一  独立行政法人国立長寿医療研究センター, 機能回復診療部, 医師 (20528187)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード動作解析 / 定量的評価 / 痙縮
研究概要

平成24年度は,「三次元動作解析による痙縮の定量的評価法の策定と,その信頼性,妥当性検証」を主として行った.
まず健常人を対象として,計測動作の決定を行った.徒手筋力検査計測動作に準じた動作を試し,上下肢評価ともStroke Impairment Assessment Set (SIAS)の動作が片麻痺の連合反応・共同運動という考えに矛盾せず,計測の簡便性から妥当と判断された.次に健常人5名と痙縮のある片麻痺患者8名に対して計測を行い指標の検討を行った.三次元動作解析装置KinemaTracerを使用してSIASの動作を5回行わせ,マーカ(上肢なら手関節)の位置変化や速度を算出した.この際に,1. 最大速度で動かす課題,2. 最大限の可動範囲に到達するためのゆっくりと動かす課題の2つの教示を与えた.結果として,2つ教示における動作時間比が健常人で0.740,片麻痺患者で0.587 (p=0.043)と有意に異なることが明らかになった.また,2つの教示における位置や速度の時系列グラフを正規化し一致度を検証したところ,健常人0.99,片麻痺患者0.90で,痙縮がある方が2つの動作の一致度が低かった.
痙縮治療の主目的は動作の改善であり,痙縮を動作解析を用いて定量的に評価することが本研究の起点である.本年度の研究内容はこれを支持する興味深い結果であると考える.
計測方法の信頼性や妥当性の検証を行う上では,少なくとも20例以上のデータが必要であり,まだ検討できる状況ではない.早急に症例数を増やし次年度の以降の研究課題に取り組む予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究で最も重要な機器は三次元動作解析装置KinemaTracerである.当初,本施設に年度初期に導入される予定であったが,実際の納品は9月となってしまった.その分計測症例数が少なくなり,研究の達成度がやや遅れてしまっていると評価する.

今後の研究の推進方策

今度の研究課題として,1) 三次元動作解析による痙縮の定量的評価法の策定と,その信頼性,妥当性検証の残りの症例集め,2) 回復期リハビリテーション病棟入院患者における痙縮の経時的変化,3) A 型ボツリヌス毒素による痙縮治療例における治療後の痙縮の定量的変化がある.
現状以上に研究を推進する方策として,下記にある計測用椅子の作製・購入による計測の更なる簡便化,他研究費からではあるが三次元動作解析装置の追加ライセンス購入による解析の効率化を予定している.また,課題2)に関しては計画書にある協力者との多施設研究とすることで症例数の拡大を見込む.

次年度の研究費の使用計画

研究計画書の段階では,平成24年度の研究費でCalibration free用カメラフレームおよび計測用椅子を作製・購入予定であった.しかし,研究費の一部減額に伴い同時購入することが不可能となってしまったため,24年度にカメラフレーム,25年度に計測用椅子を購入する申請とした.次年度使用額はこれに充てる予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 三次元動作解析装置による片麻痺上肢の定量的評価 ~非線形回帰曲線を使用した測定値毎の反応性~2012

    • 著者名/発表者名
      尾崎健一
    • 学会等名
      第49回日本リハビリテーション医学会学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20120601-20120601

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公開日: 2014-07-24  

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