本研究の目的は、弱視者が文字を読んだり書いたりする動作時の頭頚部の角度や目と文字の距離などを測定し、視力や視野の障害と頭頚部肢位との関連や痛みとの関係を調べることである。今回の調査の結果、弱視者の60%以上の人に頚~肩部の筋骨格系の痛みが見られていた。両目の視野が半分以上欠損している視野障害群では多くの机上動作で視力が低いほど有意に目と文字の距離が近づき、頭頚部が前傾姿勢となる傾向が見られたが、視野欠損の少ない人では有意な関係はあまり認められなかった。障害のタイプに合わせた対応や障害補償の必要性が示唆された。
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