研究課題/領域番号 |
24700589
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹井 裕介 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00513011)
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キーワード | 嚥下 / 力センサ |
研究概要 |
前年度に作製した口蓋貼り付け用センサを用いて、液体の嚥下実験を行った。前年度は液体の嚥下量を変えて実験を行ったが、本年度は、さらに液体の粘度を変えて実験を行った。一般的に液体の粘度が低いと誤嚥が起こりやすく、粘度が高いと誤嚥が起こりにくいとされている。これは、口内で低粘度の液体は受動的に滑って移動するため流入速度が速く、高粘度の液体は能動的に嚥下動作を行って送り込んでいることに起因していると考えられる。実験の結果、高粘度の液体を嚥下する際の舌の活動量が、低粘度の液体を嚥下する際の舌の活動量に比べて大きいことが分かった。また、センサを口蓋の前部、後部の2か所に配置し、嚥下時の舌の力を計測したところ、舌の前部と後部の働きの違いが明らかになった。予期せぬ成果として、MEMS音響センサを作製し、喉の表皮にセンサを貼り付け、液体を嚥下する際の舌圧と嚥下流速の関係を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
口蓋貼り付け用のMEMSセンサを作製し、液体や半固体形状の食品の嚥下時の舌の運動の計測を行った。また、予期せぬ成果として、力センサとほぼ同一の構造で音の計測が可能な音響センサを作製し、嚥下時の液体が喉を通過する音の計測を行った。この音響センサを用いることで、嚥下した液体が喉を通過する際の流速が計算できるため、嚥下時の舌の圧力と嚥下流速の関係を調べることが可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、液体、半固体の食品に加えて、固体食品の咀嚼、嚥下実験を行う。発展的な課題として、のどごし、口どけなど既存の計測装置では計測が困難であった、複数の物理現象が関係する食感の定量化にも取り組む。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、2013年度は様々な寸法のセンサを作製するために、SOIウェハを買う予算を計上していた。しかし、2012年度に作製したセンサ寸法で舌の力がうまく計測できることが確認できたため、2013年度も引き続き同寸法のセンサを使用することとした。そのため、SOIウェハを購入することを見送った。 本研究の目的である、嚥下時の舌の力の計測に加えて、予期せぬ成果として嚥下音の計測を行った。嚥下時の舌の力と嚥下音を同時に計測するために、オシロスコープを多チャンネル化するために、チャンネルを増設するための改造費として使用することを検討している。
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