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2013 年度 実施状況報告書

ヒトの知覚における確率共振現象の生理学的メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24700617
研究機関株式会社国際電気通信基礎技術研究所

研究代表者

相原 孝次  株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 専任研究員 (10600918)

キーワードノイズ / 経頭蓋電気刺激 / 知覚
研究概要

経頭蓋ランダムノイズ刺激(transcranial random noise stimulation; tRNS)は、頭皮上からランダムノイズ波形の電気刺激を行うことで、大脳皮質にノイズを印加できるものと考えられている。しかし、実際にtRNSにより脳内ノイズ強度が変化したかどうかを検証した研究は存在しない。そこで、本研究では、tRNSにより脳内ノイズ強度を増やすことができるかどうかを実験的に検討する。昨年度の研究において、脳内ノイズ強度の評価を脳波などの生理学データから推定することは困難であることが示唆されたため、心理学的な方法で評価することにした。具体的には、刺激強度と反応(刺激検出確率など)の間の関係を表す心理測定関数は、一般にS字型になることが知られており、その傾きパラメータは脳内ノイズ強度を反映すると考えることができるため、これを利用することにした。
予備実験では、tRNS刺激時とシャム刺激(最初の数秒だけ電流を流し、その後にオフにする;コントロール実験)時に、視覚コントラスト検出課題を行い、それぞれの刺激条件で心理測定関数を推定して、傾きパラメータを条件間で比較した。その結果、tRNS刺激時にはシャム刺激時と比較して脳内ノイズ強度が大きくなる傾向が示唆された。その後、先行文献の調査の結果、経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation; TMS)の効果(脳内ノイズに与える影響等)を調べた心理物理実験研究では、視覚方向識別課題が広く用いられていることが分かったため、本研究でも視覚コントラスト検出課題に代わって視覚方向識別課題を用いることにした。既に視覚刺激提示プログラムの作成は完了したので、今後、実験を行う予定である

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

年度途中で実験課題を視覚コントラスト検出課題から視覚方向識別課題に変更したため、実験開始が平成26年度となった。

今後の研究の推進方策

経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)により脳内ノイズ強度が増える可能性があることが、視覚コントラスト検出課題を用いた心理物理実験のデータから推定した心理測定関数の傾きパラメータによる評価から示唆されたので、十数名程度の被験者に対して視覚方向識別課題を用いた同様の実験を行って検証する。また、経頭蓋直流電流刺激(transcranial direct current stimulation; tDCS)でも脳内ノイズ強度が変わる可能性があるため、実験的に検証する。
並行して、tRNSなどの経頭蓋電気刺激(transcranial electric stimulation; tES)で安静時の脳内ネットワークの活動(resting state network; RSN)を制御できるかどうかを脳波(electroencephalography; EEG)あるいは脳磁図(magnetoencephalography; MEG)により実験的に評価する。さらには、RSNを制御することで行動にどのような変化が生じるかも検討する。

次年度の研究費の使用計画

実験開始が平成26年度となったため。
主にMEGの実験費用および謝金として使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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