研究課題/領域番号 |
24700621
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研究機関 | 流通経済大学 |
研究代表者 |
福ヶ迫 善彦 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20398655)
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キーワード | 熟練教師 / 教師養成プログラム / 実践的思考様式 / 大学院課程 / 映像コンテンツ / 反転授業 |
研究概要 |
大学院課程における体育教師養成プログラムの開発は,多くの可能性を有している.それは,長期間にわたって理論と実習をリンクさせた運営ができること,少人数で一人ひとりの成長を見届けることができること,学士課程の学習成果からのボトムアップの内容と新たな知識と技能の習得が可能な点である.いわゆる技術的熟達者から反省的実践家への基礎的・基本的な実践的思考様式の獲得を目指すことができるのである. 2012年度は学習成果を保証する思考過程の変容や実践力の育成を確認できた.2013年度は,2012年度に実施したプログラムの修正を行った.具体的には,長期に渡ったプログラムの簡素化を目指した.例えば,1年間通じて行ったプログラムを半年間で完結するプログラムに修正した.映像コンテンツを用いた反転授業形式によって,事前に課題を済ませ,そのことについて議論し,課題を明らかにするとともに,実践的に理論を事象化して確認した. 研究成果の報告は,日本体育学会(国内)及び東アジアスポーツ教育学会(国際)において行った. さらに,プログラムの課題として,対象とする映像コンテンツの質保証である.そのため,学会や地域授業研究グループ,あるいはメディアで注目されている福岡県の保健体育教師の授業を撮影,インタビューを行い,熟達教師の意思決定や思考様式,教育観や信念について分析し,プログラムに反映させることを挙げることができる. 2014年度は,学士課程の保健体育科教育学関連授業と修士課程の授業プログラムをリンクさせ,実践と理論を行うとともに,これまで実施したいくつかのプログラムの長所と短所から,大学の規模や受講学生の人数,カリキュラム等に適したプログラムの提示を試みることが課題となった.それらは,研究成果として学会誌への投稿と学会発表によって,社会的還元を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いくつものプログラムを実践しているとともに,状況の異なる大学生を対象にしたプログラムを適用していることから,研究目的にいくつかの提言を得ることができている. 一方で,研究成果を学会発表にとどまらず,学会誌等へ報告しなければならない.
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は,学士課程の保健体育科教育学関連授業と修士課程の授業プログラムをリンクさせ,実践と理論を行うとともに,これまで実施したいくつかのプログラムの長所と短所から,大学の規模や受講学生の人数,カリキュラム等に適したプログラムの提示を試みる.それらを明確に分類し,研究成果として報告書にまとめる.
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度は,学会が関東近辺で行われたこと,映像コンテンツ用の撮影対象となった福岡県中学校教諭とのスケジュールが合わず,予定した日程での撮影ができなかった.加えて,予定していたビデオ機材を購入しなかった.購入に関しては,使用方法の再検討により,当該年度の購入を見送り,2014年度を予定している. 福岡県春日市中学校教員の映像,愛知県中学校教員の映像をコンテンツのために撮影する.それらの映像を編集し,インターネットによる反転授業を展開し,事前準備を学生に行わせることで,ディベートの質を向上させるとともに,2014年度に予定している学士課程とのリンクした授業モデルにおける省察の方法としてwebを用いた事前事後学習を取り入れる. これらにより,相乗的な学修が期待され,長期にわたるプログラムの課題から,半期で完結するプログラムの修正版を提案し,且つ,より質の高い教師養成プログラムを提案できると考える.これら一連の研究成果は学会誌あるいは国際学会での発表を行うように準備を進めている.
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