平成26年度は,学部教職科目と大学院科目を一部合同で実施し,理論と実践力の架橋となるプログラムを構成した。実践的知識と基礎的実践力の獲得を目指した平成26年度のプログラムは目的を十分に達成する成果を残した。平成26年度プログラムの履修した学生は,よい体育授業を実現するための基礎的条件を学士課程で習得した。その条件を踏まえ,授業で生起するさまざまな事象を「見つけること」から「解決すること」へ向かうことのできる実践力と,「見つける」力と「解決する」力に必要とされる実践的知識の獲得をめざした。平成26年度は,映像コンテンツを活用した反転授業を実施する平成25年度のプログラムを活用した。リフレクションシートをもとに反転授業を7回継続した。7回以降は大学院生が教師役になり,学部生は生徒役と観察役の模擬授業を実施した。観察役は,教師の言語行動を中心に質的に記録・分析した。その結果は即日集計して,改善点等を抽出した。大学院生の指導は,内容に関するフィードバックが少なかったものの,模擬授業を通じて有意に漸増した。漸増した要因は,インタビューの結果,毎時のリフレクションでイメージを持ちながら実施できたためと考えられる。3年間にわたって実施した体育教師養成プログラムは,期間,対象,学びの履歴を踏まえた効果的な3つのパターンを示すことができた。
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