研究課題/領域番号 |
24700624
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩田 昌太郎 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50433090)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 実践的指導力 / 学部・大学院の一貫 / 体育教員養成の改善 / カリキュラム開発 / 質保証 |
研究概要 |
本研究は,教員養成における学部・大学院一貫を目指した体育教員養成カリキュラムの開発とその実践を検証することを目的とする。そのための具体的な研究課題を以下に3点で示す。第1に,国内外の先駆的な体育教員養成カリキュラムとそのアセスメント方法について調査研究することである(研究課題①)。第2の研究課題は,ここ5年間の科研の成果で開発した「実践的指導力」の能力規準とアセスメント・モデルを視座に置きつつ,学部・大学院一貫の体育教員養成カリキュラムを開発する(研究課題②)。第3の研究課題は,その開発した体育教員養成カリキュラムの一部を試行的に実践かつ検証をしながら,継続的にアセスメントをすることで改善点を導出しながらカリキュラムを再構築することである(研究課題③)。 平成24年度は,研究目的欄に記載された研究課題①に関して,国内外の大学で調査研究した。まず,国外の調査研究Iとして,シンガポールを調査した。シンガポールは,唯一の国立教育学院(NIE)において、大学学位レベルで教員養成を実施している(嘉数・岩田,2010)。したがって、教師の質保証のシステムとして充実しているNIEを調査した。その成果については、共同研究プロジェクト報告書としてまとめた(岩田,2013)。次に、国内の調査研究Iでは、国内の大学における先駆的に教職大学院を運営している福井大学、東京学芸大学、玉川大学の資料を収集した。しかし、さらに詳細に調査するために、次年度に訪問調査し、インタビューする必要性がある。 <引用文献> 嘉数健悟・岩田昌太郎(2010)シンガポールの教員養成と現職研修のプログラムについて-NIEでの調査を手がかりに-, 教育学研究ジャーナル,第7号:1-10.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の研究の達成度は、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。その理由は、国外の調査における資料収集とインタビュー調査の成果を報告書としてまとめたからである。また、国内調査においても、資料収集を行った。その成果の一部を国際学会においても発表した(学会発表①と③)。 しかし、さらに詳細な資料収集も必要な面もみられた。その点については、次年度の課題として、継続して訪問調査によるインタビュー調査や資料収集等を適用していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、以下の2点である。 それは、①平成24年度の課題として残った点の継続的な調査、②平成25年度の研究課題の推進、である。 ①については、おおむね順調に進展しているため、平成25年度の経費でも十分に継続的に調査が可能である。また、②については、平成24年度の間に、若干の調査を試みている。したがって、その調査の手がかりをもとに、計画通り研究課題の②の調査に取り掛かる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究における研究経費で大きな割合を占めるのは,初年度と次年度の調査のための「物品」と「旅費」,そして最終年度の実証的な検証における資料整理の「謝金等」である。 したがって、次年度は,初年度同様に国内や米国への現地調査(担当者へのインタビュー,実施状況の視察など)の経費を「旅費」として計上する。また、収集したデータの分析に着手するために「物品費」と「人件費・謝金」も必要に応じて経費を計上する必要性がある。
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