研究課題/領域番号 |
24700625
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
荻原 朋子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (50365566)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 素朴概念 / 体育授業 / 学習者 / 知識テスト / パフォーマンス |
研究概要 |
素朴概念とは,学習者が経験的に身につけている知識であり,この知識が新しい知識の習得を妨げたり促進したりしている.本研究では,体育授業において新しく学習する知識・技能の習得に関わる素朴概念を解明し,学習を阻害している素朴概念及び促進している素朴概念の実態を明らかにすることを目的とした.そのため,体育授業におけるバレーボールのオーバーハンドパスの技能の習得に関わる学習者の素朴概念について,小学校高学年段階の児童を対象に,素朴概念調査票を開発し,発達段階の違いによる学習者の素朴概念の実態及びパフォーマンスとの関係性について検討する. 上記目的に照らし,平成24年度は①諸外国における体育授業中の学習者の知識研究の情報収集,②小学校高学年児童における素朴概念の実態調査を行った. ①2012年7月14日~16日にイギリスのラフバラ大学に於いて開催されたTGfU 5th International Conference に参加し,諸外国における研究の動向についての情報収集を行った.ここでは,ボール運動においての戦術学習に関する課題や,学習者の状況判断能力の育成などの発表やシンポジウム,また,ネット型ゲームの実技講習会等も開催され,参考となる資料の収集をすることができた. ②平成24年11月~1月にかけて,ネット型ゲーム教材を学習する前の小学校高学年の児童を対象に,荻原ら(2008)が開発した素朴概念調査を実施した.対象者は千葉県内N小学校6年生(33名)及びU小学校6年生(72名)であった.N小学校の6年生については,先行研究である中学生のオーバーハンドパスからのアタックを学習内容の中心とした単元を実施した.また,単元前後における素朴概念調査票及びドリルゲーム・メインゲームでの児童のパフォーマンス映像をデータとして収集した. 現在,上記2校で収集したデータを集計,編集中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は,これまで使用されていたオーバーハンドパスに関する素朴概念調査表(荻原,2008)が中学生対象であったため,小学生段階における調査方法の妥当性,信頼性の再検討を実施する計画であった.そのため,荻原ら(2008)が開発した素朴概念調査票を小学校高学年の児童に実施し問題点捉えることとした.そして,中学生を対象にした学習前の素朴概念調査の結果と小学校高学年児童を対象とした素朴概念調査結果を比較検討する必要があると考えた. しかしながら,現段階では,小学校高学年児童のデータを収集し,分析,集計中であるため,小学校段階における児童の素朴概念を抽出するために有効で簡便な素朴概念調査方法を開発するまでに至らなかった.次年度の課題としたい.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,小学校高学年児童と中学生の素朴概念調査表の結果を比較検討し,学年段階における調査方法の妥当性,信頼性の再検討を実施する.その結果をもとに,素朴概念を抽出するための新たな調査方法を検討し,小学生段階における児童の素朴概念を抽出するために有効で簡便な素朴概念調査方法を開発する.また,新たに開発した素朴概念調査票を用いて,小学校高学年の児童を対象に素朴概念の実態を調査する. また,実際にネット型単元の授業を実施し,授業を経ることで児童のオーバーハンドパスに関する素朴概念がどのように変化するのかを明らかにする.また,抽出された素朴概念と実際のパフォーマンスの関係性についても検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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