研究課題/領域番号 |
24700629
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
平川 武仁 南山大学, 人文学部, 准教授 (50404942)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 切り替えダイナミクス |
研究概要 |
人間は行動する際,身体の方向を連続的に切り替える場面に遭遇することが多い.このような場面は,人間が環境から空間的・時間的に切り替える方向を強制(制約)される状況といえる.本研究課題は,人間が時空間的に切り替えざるをえない状況のときの動作の規則性・法則性を明らかにすることを最終目標としている.時間的な制約では,切り替える時間を短縮(時間圧)することによって変動させる.空間的な制約では,切り替える方向を発生させる.これらを解明する理論的背景として,離散力学系と連続力学系を混合した非自励系力学系理論を援用し,複雑な身体運動の現象を解明する.特に,人間の身体運動の中でも比較的複雑と見なされるスポーツの動作を検証課題として取り上げ,その動作に内在する規則性・法則性を検証していく.この目的を達成するため,初年度の課題は,次年度以降の2つの実験課題で共通して使う実験装置の作成をすることであった.この実験装置を作成するために用いた主な器材は,ボール投射用レール,コンピュータでボール投射時間間隔を制御するための着磁式の電磁石(5V電圧TTLで制御),投射時間間隔を正確にコンピュータに転送するために必要となるアンプ内蔵式光電センサ(Omron 社製E3Z),被験者の左右方向に配置する刺激呈示用発光ダイオード(LED),またこのLEDを発光させる5V電圧TTLを送電するAD変換器であった.この装置を制御するためのLabViewプログラムも作成済であり,モーションキャプチャシステムと連携(同期)できることも確認済である.初年度に,次年度からの2年間で実施する2つの課題(蹴動作,捕投動作連合)において非常に重要な共通実験系となる装置を作成できたことで,実験参加者に対して時間圧と空間的な制約を統制することが可能となり,実験的検証をする準備を整えることができた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度の実施課題は,応募時の計画通り,次年度以降の実験測定で使用することになっている共通実験系の装置の作成および制御するプログラムの作成,そしてモーションキャプチャシステムとの連携であった.現在までに,この装置および点検,そしてモーションキャプチャシステムとの連携の点検を済ませ,実験測定を開始できる準備は万端整っており,現在までに達成度は概ね順調であるといえる.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,初年度に作成した実験装置(ボール投射装置)を用いて,一見,複雑にみえるスポーツの動作の規則性・法則性を明らかにするために,実験測定を行っていく.特に,次年度は,応募時の計画に沿って,検討課題(蹴動作)を実施していく予定である.次年度の早期に,学内で組織されている研究審査委員会に,測定内容を提出して審査を受ける.承認された後,早い段階で実際に測定を実施し,研究課題を推進していく.
|
次年度の研究費の使用計画 |
実験測定で必要となるスポーツ用具(ボール等),実験参加者および実験協力者への謝礼金,本研究課題で発表可能な関連学会大会への発表参加費およびその出張費で執行する計画であり,初年度に執行予定であったプリンタトナーの購入(初年度の残額)も併せて,研究費を使用する計画である.
|