本研究では教師志望学生および現職教師を対象として,教員養成カリキュラムや研修等が体育授業観などの形成に与える影響について考察することを目的とした。その結果,わが国では教師の「信念」を検討する際に授業観や子ども観などとの関連で検討されていること,授業観が授業の構想や実践に関する力量形成において重要な要因として捉えられていることを明らかにした。また,教員養成段階における授業観は,教育実習の経験によってその保持する内容の具体性に違いがあることなどを明らかにした。さらに,初任教師は初任者研修やその他の研修を通して,同僚や同期からの影響によって授業観が変容する傾向にあることも明らかにした。
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