研究課題/領域番号 |
24700641
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
伊藤 恵造 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (40451653)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 公共空間形成 / コミュニティ再編 / 団地 |
研究概要 |
1.理論研究:都市研究(都市社会学など)およびスポーツ研究(スポーツ社会学など)の各分野で、地域社会における公共空間形成、世代間再生産についてどのような研究が蓄積されてきているのかの検討を行った。特に、鈴木榮太郎『都市社会学原理』(未来社、1957年)を参考に、「社会構造論」や「生活構造論」とスポーツ研究の接続の可能性について検討した。 2.事例研究:秋田県大潟村および兵庫県神戸市のフィールドワークを実施した。大潟村については、村の史資料等を収集し、その社会背景と今日抱える課題を把握した。また、合わせて、青年団や地域スポーツクラブに対する聞き取りも行った。神戸市については、矢元台公園を拠点とした活動を中心に調査を行った。特に、そこで野球をおこなっている複数の部や公園管理活動などに注目した。また、ここで活動を展開する「垂水区団地スポーツ協会」の活動拠点とされるクラブハウスに関する調査も実施した。さらに、「垂水区団地スポーツ協会」会員の実態を把握するため、質問紙の配布を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.理論研究:計画通りに進展している。 2.事例研究:質問紙調査による「垂水区団地スポーツ協会」会員の基礎データの収集を、当初は年度の早い時期に実施する予定であったが、調査票の回収時期を、より高い回収率が期待できる平成25年4月に設定したため、実施がやや遅れた。しかしながら、分析等の準備は整っており、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
1.理論研究:家族研究(家族社会学など)の分野で、地域社会における公共空間形成、世代間再生産についてどのような研究が蓄積されてきているのかを整理する。特に、団地における「核家族化」の問題や、一人暮らし世帯の増加の問題など、社会問題とも関連させつつ、その課題把握を行う。 2.事例研究:より多くの調査票を回収するために、回収時期を遅らせたことにより、今年度に実施できなかった調査票の回収や分析等を次年度実施する。その結果を踏まえて、「垂水区団地スポーツ協会」の活動実態の把握、「若者世代」に関する詳細な調査(質問紙およびフィールドワーク)を行う。また、大潟村では、神戸市との「都市―農村」の比較を行い、それらの相違点を明確にする。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.理論研究:家族に関する社会学的研究は、家族の中の閉じられた空間のみによって成り立つのではなく、広く地域社会との関連の中で展開されている。そこで、次年度は、計画段階での家族社会学に関する資料収集のみならず、広く、都市や農村の社会構造の変化との関連の中で家族について触れられた研究についても、資料を収集する必要がある。次年度の研究費は、この点を補完するものとして使用したい。 2.事例研究:調査票の回収とそれに伴って実施されるフィールドワークのための旅費、および、その分析に必要となる物品の購入等に研究費を使用する予定である。
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