研究課題/領域番号 |
24700650
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
高徳 希 奈良女子大学, 人文科学系, 助教 (80554477)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | トレーニング科学 / アジリティ |
研究概要 |
一般学生バスケットボールプレーヤーを対象とした「状況判断型アジリティトレーニング」の開発と実践を目的として、平成24年度は既存のアジリティトレーニングによるテスト測定とバスケットボールゲームにおける動作特性の分析を行った。 1)既存のアジリティ関連項目のテスト測定 一般学生バスケットボールプレーヤー(経験年数6年以上)12名を被験者とし、7種類のSAQトレーニングのアジリティ関連項目についてテスト測定を実施した。各テストでは、動作時間の測定と動作全体を撮影した映像から分析を行った。アジリティ関連項目には素早い前後左右への方向変更能力が必要とされるため、動作時間の中でも方向変更時に要した所要時間(以下、方向変更時間)について重点的に分析した。その結果、特に前後左右への方向変更が必要な測定項目では、動作時間の長短とは関係なく、いずれの被験者においても方向変更に時間を要していた。 2)ゲーム場面におけるプレーヤーの動作分析 1)のテスト測定に参加した被験者を対象として撮影した実際のゲーム場面の映像から各プレーヤーの動作特性について分析を行った。被験者のゲームにおけるポジションによって走行距離や速度は異なるが、①走行中の急なストップや方向変更がスムーズにできない、②攻防の急な切り換え場面では踏み出しまでのステップ数が多く時間を要するといった動作特性が共通してみられた。 1)および2)の結果から、被験者によって直線走の速さは異なるが、アジリティ能力のテスト測定と実際のゲーム場面で共通してみられた動作特性から、より少ないステップで効率的な方向変更を行う能力を向上させることが重要であることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、一般学生プレーヤーがバスケットボールゲームで直面する「状況判断を伴うステップワーク」の難しさに焦点を当て、ゲームでみられる動作特性の分析から、既存のアジリティトレーニングに「状況判断」という要素を加えた「状況判断型アジリティトレーニング」の開発と実践である。全体的な計画としては、まず現状の問題点を明らかにし、このデータを基にして新たなトレーニングプログラムの開発と実践を行っていく。 初年度である平成24年度の研究計画は、一般学生プレーヤーを対象とした既存のSAQトレーニングにおけるアジリティ関連項目のテスト測定およびゲーム場面におけるプレーヤーの動作特性についての分析を行い、これらの関連性を検討することであった。実際に、撮影したゲーム場面からステップワーク等を中心とした動作分析を行い、これと並行してアジリティ関連項目のテスト測定を行った。よって、初年度は概ね計画通りに進めることができたといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、当初の研究計画の通り、初年度に得られたデータを基にして「状況判断型アジリティトレーニング」を考案とテスト測定を実施する。具体的なトレーニングプログラムとして、①状況判断、②走行中の連続動作、③前後左右の方向変更の3要素を含むステップワークトレーニングを予定している。このテスト測定を、初年度の測定に参加した被験者を対象とし、5~10試行程度実施する。初年度と同様に動作時間の測定に加えて、被験者の動作全体を撮影し、各被験者の動作特性についても分析する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|