研究課題/領域番号 |
24700650
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
高徳 希 奈良女子大学, 人文科学系, 助教 (80554477)
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キーワード | トレーニング科学 / アジリティ |
研究概要 |
一般学生バスケットボールプレーヤーと対象とした「状況判断型アジリティトレーニング」の開発と実践を目的として、前年度に実施した既存トレーニングの測定結果と実際のゲーム場面でみられた動作特性をもとに、平成25年度は状況判断型トレーニングプログラムの考案と妥当性の検討、これを用いた一定期間のトレーニング実践を行った。 1)状況判断型トレーニングの考案と妥当性の検討 前年度の分析結果を基にして、①比較的移動距離の短い後方へのステップ(ディフェンス場面を想定)、②ダイヤモンド型のコース上に前後左右の方向変換を設定、③予めコースを教示する既知条件と視覚刺激によってコースを呈示する未知条件の設定、この3点に重点を置いたステップワークプログラムを考案した。14名の一般学生バスケットボールプレーヤーを対象として、既知条件(6試行)と未知条件(12試行)でのテスト測定を実施し、各試行における動作時間と動作全体を撮影した映像から分析を行った。その結果、特に未知条件においては、左右方向(いずれも後方)への方向変換時の軸足接地時間とその際の姿勢が素早く効率的なステップワークに関連していると考えられたことから、このステップワークを用いてトレーニング実践を行うこととした。 2)状況判断型トレーニングの実践 考案した状況判断型トレーニングと既存のアジリティトレーニングを用いて、通常の練習時に実施可能なメニューを計画し、1)のテスト測定に参加した14名のプレーヤーを対象として約3ヶ月のトレーニングを実施した。また、トレーニング前後の実際のゲーム場面、練習時のディフェンス場面の撮影も合わせて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成25年度の主な計画は、「状況判断型トレーニング」の考案と妥当性の検討であった。これに関しては、前年度に明らかにした点をふまえたトレーニングプログラムの考案し、10名以上の被験者を対象としたテスト測定を実施、さらに、プログラムの妥当性についても検討することができた。これに加えて、対象となるプレーヤーに対して一定期間のトレーニング実践も行った。状況判断型トレーニングの実践については、平成26年度に実施する予定であったが、トレーニングプログラムを短期間で検討することができたため、繰り上げて実施した。よって、当初の計画以上に進めることができたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度については、当初の計画にあった状況判断型トレーニングの実践が既に終了したことから、平成25年度に得られたデータをより詳細に分析し、トレーニング効果の検証を重点的に行う。トレーニング実践中の約3ヶ月間で定期的に測定した動作時間と全体動作の映像を分析、さらに、トレーニング前後の実際のゲーム場面での動作分析を行う(なお、ゲーム場面の映像からの分析が困難な場合は、練習時のディフェンス場面の映像を用いることとする)。これらについては該当する学会にて研究成果の発表を行う予定である。
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