研究実績の概要 |
本研究は、ポルトガルポルト大学のヴィクトル・フラーデ教授によって提唱された「戦術的ピリオダイゼーション理論」をスポーツ哲学の観点から体系的に考察し、これを「サッカーのゲーム構造論」に接続させることで、両理論を拡張・統合させることを目的とした。研究代表者は、「体育・スポーツ哲学研究」第31巻第1号において「サッカーのゲーム分析のための原理論構築に向けたスポーツのゲーム構造論に関する研究―『身体運動競技(スポーツ)』の基底詞としての『競技』概念の検討―」と題し、構造主義の観点から、遊戯としての「競技」の〈構造〉に着目しつつ、これを競技関数:A = cf(a,b) = a>b, a=b, a<b | rによって定式化することができた。また、『体育・スポーツ哲学研究』第34巻第1号において「サッカーのゲーム分析のための原理論構築に向けたスポーツのゲーム構造論に関する研究II―『身体運動競技(スポーツ)』の限定詞としての『身体運動』概念の検討―」などの成果によって、競技に関わる身体運動性やスポーツにおける身体運動の構成や発展を明らかにし、「サッカーのゲーム構造論の基礎論の構築を終えることができた。今後の課題はこれをコーチング場面へより実践的に応用することである。つまり、先の哲学的思想研究から得られた結果にもとづきながら、指導者にコーチングコンセプトを立てさせ、実際にそれがトレーニングやゲームに具現化されているか、またその映像を教材化することができるかを、「クリッピング」によって編集された映像等で検証し、本研究によって得られた映像を「iPad」によってコーチング現場で瞬時に利用可能とすることである。
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