本研究の目的はサッカーのゲーム分析のためにスポーツ構造論を構築することである。本研究では、このスポーツ構造を比較関数によって定式化することができた。またスポーツにおける身体運動の特性を、使用性、表出性、獲得性、相互性の四つの特性によって提示した。さらに「パレート最適」の考え方から、どんな運動形式でもある一定のフォーム、すなわち何らかの決まった形を持つ限りにおいて、幾何学的両義性(一長一短の関係)という限界を持つことが明らかとなった。ただしそれはある新しい運動形式とその他の運動形式がある新たな一長一短の関係を取り結び、複数にわたる目的を新たに最適化する可能性をも有することを意味しているのである。
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