研究課題/領域番号 |
24700658
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 貴昭 慶應義塾大学, 環境情報学部, 准教授 (30365481)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | スポーツ / 眼球運動 / 知覚運動スキル |
研究概要 |
本年度(平成24年度)の研究目標は、各種スポーツ競技者の視覚探索および身体運動を同時計測し、知覚運動スキルの基礎データを得ること(課題1)、さらにこれまでの研究で得られた知見のうち、最も興味深い日本の伝統武術に伝わる『遠山の目付』の概念と照らし合わせ、熟練競技者に共通する視覚探索および身体運動パターンについて検証を行うこと(課題2)であった。主な実績は以下の通りである。 「課題1:ライブ状況下での各種スポーツ競技者の視覚探索および身体運動の包括的評価実験」主なスポーツ競技およびタスクとしては、野球の打撃・野球の投球、テニスのストローク、バレーボールのレシーブ・サーブ、剣道の対峙、合氣道の対峙・打ち込みを実験の対象とした。その際、熟練パフォーマンスアプローチから特定した熟練競技者と、その比較対象としての非熟練競技者を選抜し、眼球運動計測を行い、一部タスクについては、モーションキャプチャシステムとの同期連携を行うことで、3次元空間上での身体運動および眼球運動表示が可能となった。詳細な解析については今後の課題とした。 「課題2:熟練競技者に共通する視覚探索および身体運動パターンの解明(『遠山の目付』の検証)」課題1にて得られた各種実験データを元に、各種競技場面における競技者の視覚探索活動および身体運動制御を総括し、熟練者に共通するパターンについて考察した。特に伝統的な日本武術に伝わる『遠山の目付』について眼球運動と身体運動の両者からその特性について検証を行った。 今後は引き続き両課題の検討事項について取り組むとともに、実験室環境下での知覚運動スキル評価用シミュレーションの構築および評価(課題3)について検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計測に関してはほぼ当初の予定通りのデータが得られた。また、実験環境が向上し、モーションキャプチャシステムが活用できることとなったことで、さらに詳細なデータを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は対象競技を増やし、さらなるデータの充実を図るとともに、新たな視点から知覚運動スキルを解析する方法について検討していきたい。また課題3であるシミュレーション評価環境の構築を目指す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
より良い成果が期待できることから研究計画の軽微な変更を行い、必要な物品等の調達が安価に行うことができたため、次年度に使用する研究費が生じた。次年度は課題3を遂行する上で必要な映像機器の調達を中心に使用していく予定であり、加えてこれまで得られた成果を発表するための経費に使用する予定である。
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