研究課題/領域番号 |
24700663
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
富川 理充 専修大学, 商学部, 准教授 (50614492)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | オープンウォーター / トライアスロン / スイム / ストローク / モーションセンサ |
研究概要 |
国内で開催された5大会のエリートレースに出向き、実際のトライアスロンレースのスイム遂行中の選手を撮影、ストローク頻度測定のためのデータ収集を行った。また、海外のエリートレース(ロンドンオリンピック)を視察、レース展開を記録し今後の参考とした。 レースコース上に船を出し選手に伴泳して泳動作を撮影することは、対象選手以外の選手への安全管理の点から断念し、陸上からの撮影へと変更した。オープンウォーター環境下において、1~数周回に設定された総距離1500mのスイムコース全般にわたり対象選手の泳動作を記録するには、海洋の状況や障害物、他選手、風、陽光等の影響で非常に困難を要したが、試行錯誤を繰返しながら撮影を重ねるうちに、どの程度の距離であれば可能か、どの方向からが選手の泳動作を確認しやすいかなど方法に関するノウハウを蓄積することができた。 1台、多くても2台のカメラを用いた撮影のために、1レースにおける対象選手は1名に限られてしまったが、数レース中のストローク頻度のデータを収集し分析することに成功した。そして、1レース中のストローク頻度の推移を初めて示すことができ、その結果を学会等(日本海洋人間学会第1回大会、2013 2nd. ITU Science and Triathlon World COnference、第2回JTUトライアスロン研究会)で発表し、論文としてまとめ(専修大学体育研究紀要・第36号)、それらをもとに講演(2012年日本水泳・水中運動学会年次大会「若手の会」勉強会、2012年JTUコーチングシンポジウム)を行うことができた。 プール環境下におけるモーションセンサの精度確認について、レース中のストローク頻度の分析に時間が割かれ、従来の映像情報との比較確認はまだできていない。しかし、すでに準備段階にあり、近日中に実施し比較検討して進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ストロークパラメータを測定するには、従来では映像情報をもとに行われることが一般的であったが、最近では身体に装着したモーションセンサを用いて測定されることもある。しかし、いずれの手法を用いたとしても、オープンウォーター環境下においてストロークパラメータを抽出することは困難を極め、オープンウォータースイムやトライアスロンスイム中のストロークパラメータの分析はされてこなかった。 本研究において、実際のトライアスロンレースのスイム中に対象選手を撮影した映像情報から、初めてストローク頻度を測定し分析することができ、レース中のその推移を表すことに成功した。その結果、選手間や前後半、レース展開において、ストローク頻度の推移の特徴に差が生じることが示唆されたことから、今後、レース中のストローク頻度の分析を進めていくことの意義を示すこともできた。ただし、モーションセンサを用いてストローク頻度を抽出する方法の精度の確認は、次年度への持ち越しとなった。 本年度の主たる目的である、実際のトライアスロンレースのスイム中のストローク頻度の分析を進めその推移を示すことが達成でき、モーションセンサとの比較は近日中に実施する準備を整えられていることから、上記のような達成度として評価した。
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今後の研究の推進方策 |
プール環境下において映像情報およびモーションセンサの各々より得られたストローク頻度の情報を比較検討し、最適なモーションセンサの装着部位や測定精度などを検討する。さらに、オープンウォーター環境下において、映像情報およびモーションセンサの両者を同時に用いてストローク頻度を測定し、各々から得られたデータを比較検討し、モーションンセンサにおける測定精度を上げるための方策を講じる。 実際のトライアスロンレースのみに捉われず、オープンウォータースイムのレースや、それらのレースを模した環境での測定等で代用することも考慮に入れながら進めることで、研究を効率的に進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
オープンウォーター環境下におけるデータサンプル数を増やすために、実際のトライアスロンレースやオープンウォータースイムのレース、あるいはそれらを模した環境での測定機会を増やす。また研究補助を動員し、データ収集および分析を効率的に進める。
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