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2013 年度 実施状況報告書

長野オリンピックが地域社会にもたらした「遺産」とその活用をめぐる社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24700664
研究機関東京理科大学

研究代表者

高尾 将幸  東京理科大学, 理学部, 助教 (60584381)

キーワード長野オリンピック / メガイベント / 遺産 / スポーツ社会学
研究概要

本研究は1998年に開催された長野オリンピックの競技開催地である長野県北安曇郡白馬村を主な調査対象地として、閉幕から十年以上を経た今、オリンピックが地域社会に残した有形・無形の「遺産」と、地域住民によるその活用の諸相を解明することを目的とする。オリンピックが残した有形・無形の「遺産」、住民の受容のあり方、さらに地域の活性化に向けた「遺産」の活用とその模索について、時間軸を入れた社会学的な検証・考察に取り組むことが主たる課題である。
平成25年度は、オリンピックが残した無形の「遺産」についてフィールドワークによる聞き取り調査を実施する計画を立てた。
特に集中的に行ったのはオリンピックを契機にした人びとのネットワークの継続性についての調査であった。具体的には、オリンピックによる無形の「遺産」である人びとの繋がりを契機にして開催が始まった大学女子ソフトボール大会に注目し、関係者に調査を実施した。そこでは、地域の宿泊業者をはじめとする人々が、小さな大会を成功させるために協力関係を築いてきた経緯が明らかになった。
二点目として、海外から移住し、本格的に外国人観光客向けのビジネスに取り組んでいるホテル経営者にインバウンド事業等に対するインタビュー調査を行った。そこから、今後の外国人観光客のインバウンド事業に関する可能性と諸課題を知ることができた。とりわけ、村内での様ざまな消費活動を活発化させる移送や、村内スキー場のリフト券に関する利便性の向上などが、大きな課題であるとのことだった。さらに、海外からビジネス目的で移住した人びとに対する行政的な管理の不十分に対して、不公平な思いを抱いている外国人経営者もおり、オリンピック開催地であるがゆえの問題と、それに対する政治的対応の難しさが浮き彫りになっていることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現地での聞き取り調査および資料収集については、予定通り進展している。

今後の研究の推進方策

次年度は最終年度となるため、これまで収集したデータを整理し、学会発表および論文執筆の準備を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成26年度に海外での研究発表を行うことを新たに計画した。そのため、次年度に旅費の一部として使用するために残額を確保した。
平成26年度に海外での研究発表を計画したので、そこに充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] オリンピックの「遺産」をめぐる葛藤と活用:白馬村の観光産業を中心に

    • 著者名/発表者名
      高尾 将幸
    • 学会等名
      東伏見スポーツサイエンス研究会
    • 発表場所
      早稲田大学東伏見キャンパス
  • [図書] 〈オリンピックの遺産〉の社会学:長野オリンピックとその後の十年2013

    • 著者名/発表者名
      石坂友司・松林秀樹編著
    • 総ページ数
      202(150~167)
    • 出版者
      青弓社

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公開日: 2015-05-28  

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