研究課題/領域番号 |
24700667
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
杉崎 範英 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (10508287)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | スプリント走 / 筋断面積 / 筋力トレーニング / MRI |
研究概要 |
平成24年度の研究計画にしたがい、男子短距離および中距離選手を対象として、疾走パフォーマンスの測定および筋断面積の測定を行い、両者の関係を検討した。男子大学陸上競技選手を対象としてMRI装置を用いて体幹部および大腿部各筋の断面積を測定し、各筋の断面積と100m走タイムとの関係を、重回帰分析を用いて検討した。その結果、大臀筋およびハムストリングスを説明変数とする有意な回帰式(R2 = 0.673)が得られ、これらの筋の寄与率はともに30%程度であった。これらの結果から、大臀筋およびハムストリングスの大きさが100m走タイムに対して同程度の寄与率をもって関与していることが示唆された。 また、平成25年度に行う予定であった、走能力に関わる筋の活動における下肢筋力トレーニング種目間差の一部を前倒しして行った。9名の成人男性を対象として、MRI法を用いた横緩和時間(T2)変化の観察をもとに、体重の0.9倍の重量を用いたバーベルスクワットおよび自体重でのスクワットジャンプにおける臀部および大腿部筋の活動を調べた。その結果、大臀筋および内転筋群において、バーベルスクワットよりもスクワットジャンプにおける活動が大きい傾向が観察された。また、いずれの種目においても、他の筋の活動と比較してハムストリングスの活動が低いことが示された。以上の結果から、バーベルスクワットと比して、スクワットジャンプトレーニングは大臀筋のトレーニングとして有効であるものの、スクワット系のトレーニング種目は、ハムストリングスのトレーニングとしては、必ずしも有効ではない可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、疾走パフォーマンスと体幹部および下肢の筋断面積との関係を検討することを目的に30~40名の被験者を対象として実験を行う計画であった。実際の測定においては、当初の予定を超える50名の被験者を対象に、すべての実験・測定を完了することができ、100m走タイムの個人差に影響を及ぼすと考えられる筋の特定、および影響度の大きさについて一定の結果を得ることが出来た。ただし、予定を超えた人数のデータを取得したこともあり、取得データのうち平成24年度中に分析を終えたものは3分の2程度であり、距離別の疾走パフォーマンスと筋断面積の関係の検討については当初の計画よりもやや遅れをとっている。 しかしながら、平成25年度に実施する予定であった計画の一部を前倒しして行うことができたため、全体として、おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、平成24年度の研究によって得られた結果を論文として公表する。さらに、平成24年度に終えることが出来なかったデータの分析を完了し、疾走距離別の疾走パフォーマンスと筋断面積との関係を明らかにしたうえで、学会発表および研究論文として公表する。 また、平成25年度の研究計画に沿って、疾走能力に関わる筋の活動における下肢筋力トレーニング種目間差についての研究を進める予定である。具体的には、各種筋力トレーニング動作における関節および筋の負荷を、動作分析およびMRI法のT2を用いて評価し、疾走能力向上のために適したトレーニング種目を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度においては、疾走能力に関わる筋の活動における下肢筋力トレーニング種目間差についての研究を進める。この際、下肢関節に課される負荷の定量も行うため、当初の計画通り、動作分析用ソフトウエアを購入する予定である。 また、所属箇所変更に伴い、統計解析用ソフトウエアの購入が必要となるため、旅費および謝金の一部をこれに充当する。
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