スポーツの団体競技において個々のポジションや役割の適性がチームの状態に影響を与える事は、明らかであり身体的な特徴や心理的な特徴といった見地から多くの研究がなされている。しかし、双方を考慮した団体競技におけるチーム内での個人の役割や関係性を示す研究は、非常に稀であり、身体的特徴と心理的特徴に関する関連性はまだ明らかではない。 本研究では、身体的特徴量及び心理的特徴量の双方を考慮した団体スポーツにおける個々の役割適性を判断し、チームの関係性を示すクラスタリング器の開発を目標とする。そこで、本研究では申請者がロボティクス分野において、環境推定などに用いた自己組織化マップ(Self Organizing Maps)を用いて、双方の特徴量を用いたクラスタリング器の開発を目指す。 本年度は、得たデータを利用して、アルゴリズムの検証を行った。身体的特徴量及び心理的特徴量単体での結果は、統計的な手法と同じような傾向の他に、身体的な特徴量データ群では、ポジションの適性に関するクラスタリングができた。また、心理的特徴量データ群では、レギュラーの傾向を見ることができ、心理的にどのような特徴がある人物がレギュラーになるのかを判断する資料として使用できることが分かった。双方をとりいれた結果では、ポジションに関するグループ分けができ、レギュラーメンバーの選定資料として使えることも分かった。また、他のポジションに適性が見えることも本研究の結果から可能性を見出すことができた。
|