研究課題/領域番号 |
24700689
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
赤木 亮太 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (20581458)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 筋硬度 / 筋力 / 足関節底屈筋群 / 腓腹筋内側頭 / 腓腹筋外側頭 / 超音波エラストグラフィ |
研究概要 |
筋硬度は骨格筋のコンディションの客観的指標となり得るものの,個人内の筋硬度変化が筋の力発揮特性にどのように影響を及ぼすのかは明らかにされていない.当該年度は,ストレッチングに伴う筋硬度の一過性の変化及び長期的な変化を捉え,筋の力発揮特性との関連を明らかにすることを目的とした. 一過性の効果については,若年男性20名を対象に実験を実施した.具体的には,足関節底屈筋群のストレッチング及び筋力,腓腹筋の筋硬度に着目した.左右どちらの脚をストレッチするかは,被験者毎にランダムに選定した.2分×3セット(セット間の休息:1分間)の静的ストレッチングを,ストレッチングボードを用いて実施した.筋硬度の測定には,超音波エラストグラフィを用いた.また,関節トルクは筋力計を用いて測定した.その結果,ストレッチングに伴い腓腹筋の筋硬度は低下したものの,関節トルクは変化しなかった.また,腓腹筋内側頭と腓腹筋外側頭の筋硬度には,同程度のストレッチング効果がみられた. 長期的な効果については,若年男性19名を対象に実験を実施した.一過性の効果を検討した実験と同様に,足関節底屈筋群のストレッチング及び筋力,腓腹筋の筋硬度に着目し,左右どちらの脚をストレッチするかは,被験者毎にランダムに選定した.上記のストレッチングプログラムを,1週間に6日間,5週間継続した.一過性の結果と同様に,ストレッチングに伴い腓腹筋の筋硬度は低下したものの,関節トルクは変化しなかった.また,腓腹筋内側頭と腓腹筋外側頭の筋硬度には,同程度のストレッチング効果がみられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
元々3年計画の内容で,その内の半分(1.5年)で,ストレッチングに伴う筋硬度の一過性の変化及び長期的な変化を探る予定であったが,1年終了時点で,既に,両方とも検討することができた.そして,前者の結果については,既にMed Sci Sports Exercに論文が受理されており,後者の結果についても,現在論文を投稿中である.このように,実験ペースだけではなく,研究成果発表のペースも当初の計画以上に順調である.
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今後の研究の推進方策 |
ストレッチング時間等の条件を変えて,より詳細に検討する必要があるので,その点は次年度以降実施する.また,筋力トレーニングに伴う筋硬度の一過性の変化及び長期的な変化に関する検討を,次年度の後半から実施予定だったが,ストレッチングに関する実験と並行して実施する.
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次年度の研究費の使用計画 |
経費削減により余ったが,より大きな研究成果を上げるために,同様の実験を引き続き翌年度も継続する.長期的な変化を検討する際には,被検者に長期のご協力を仰ぐこととなるため,被検者謝金を中心に充当する予定である.
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