研究課題/領域番号 |
24700696
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
佐々木 一茂 日本女子大学, 家政学部, 講師 (00451849)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 骨格筋 / 生理学 / 筋収縮 / 電気刺激 / 運動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、骨格筋の電気力学的遅延(Electromechanical delay, EMD)という現象を利用した筋機能評価法の確立に向けて基礎データを蓄積することである。平成26年度は単一の高強度運動によるEMDの縦断的変化について検討することを目的として、大腿四頭筋を対象とした予備実験を実施した。その結果、関節角度(筋長)の変化や運動に伴うEMDの変動が、これまで対象としてきた肘屈曲筋群や足底屈筋群と比較して小さかったため、測定対象筋や実験プロトコルの変更を検討することとした。 一方で、EMDと関連の深い指標と考えられる筋スティフネスが高強度運動により一過的に変化することが報告された(Lacourpaille et al. Acta Physiol, 2014)ため、上記実験系のセットアップと並行して、超音波せん断波エラストグラフィによる筋スティフネス評価法の確立にも取り組んだ。今後、筋スティフネスとEMDを同時に評価することで、より詳細に筋の状態を把握できるものと考えられる。 研究成果としては、若齢女性を対象としてEMDの筋間差等について検討した結果(平成25年度実施)を第69回日本体力医学会大会にて発表した。また、高強度運動として実施する筋力トレーニング運動のプロトコルを考えるために過去の筋力トレーニング研究の結果を整理し、メタ解析を試みた。その成果の一部を日本ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)のカンファレンスにて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述したように、予備実験の結果から測定対象筋の変更を検討したこと、筋スティフネスを評価項目に追加したこと等により、当初予定していなかった測定装置のセットアップや実験プロトコルの再検討が必要となり、年度内に本実験が実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、単一の高強度運動前後とその回復期におけるEMDの縦断的変化について実験的に検討して本研究課題の締めくくりとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
上述したように今年度に実施予定であった本実験が実施できなかったため、実験被検者謝金と消耗品代が未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
未使用額は当初の予定通り、実験被検者謝金と消耗品代に使用する。
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