本研究では,運動後のグルコースあるいはフルクトース溶液摂取が中心ならびに末梢循環応答に及ぼす影響について検討した.運動後低血圧時にグルコースを摂取すると,消化管の血管拡張に対して,体肢の血管応答をすばやく変化させ,さらなる血圧低下を防ぐよう調節されることがわかった.安静時にフルクトース溶液を摂取すると,血圧は上昇するが,運動後にフルクトース溶液を摂取すると,運動由来の体肢での血管拡張持続によって,血圧上昇の程度が抑えられることがわかった.これら両糖質溶液摂取時の血圧や局所の血管応答の違いに,両糖質溶液の胃から十二指腸への排出速度(胃内容排出)は関与していない可能性が示唆された.
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