本研究では、骨格筋疲労に関連するカルノシン合成遺伝子(ATPGD1)の発現機序について、ヒトを用いて解明することを目的とし、ATPGD1と骨格筋カルノシン濃度および筋線維組成との関係について、また、カルノシン摂取による体内でのカルノシン濃度およびATPGD1の発現について経時的に検討した。その結果、骨格筋中のカルノシン量は、速筋線維に多く存在すること、また、それはATPGD1の多少ではなく、トレーニングなどの環境的要因に起因すること、さらには、カルノシンの経口摂取による骨格筋中のカルノシン濃度の増加にはATPGD1が関与する可能性が示唆された。
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