研究課題/領域番号 |
24700722
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
友川 幸 信州大学, 教育学部, 助教 (30551733)
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キーワード | ライフスタイル / 子ども / 開発途上国 / ラオス / 国際研究者交流 / 身体的健康 / 精神的健康 / 食習慣 |
研究概要 |
25年度は、ラオスの都市部での調査および継続研究のためのシステム構築を行うことを目的に研究活動を進めた。その結果、ラオスの首都(ビエンチャン市)とビエンチャン県、ラオスの北部(ルアンパパーン県)および中南部(サワンナケート県)の都市部の合計4地域において、中学生および高校生を対象(合計5000名)にして、質問紙を使用した自己記入式の調査を行った。また、ラオスの中南部の農村部においても中学生および高校生を対象にして同様の調査を行い、合計3000名からデータを収集した。現在、各地から得たデータを入力、分析する作業を進めている。今後、都市部と農村部の調査結果の詳細な分析を行い、地域間の比較を行う予定である。質問紙調査では、昨年度に開発したCES-D20ラオス語版を用いて、精神的健康度を評価した。また、子どもに多い身体症状を20項目程度選出し、子どもの身体的健康度について評価した。また、睡眠、食事、運動、などのライフスタイルについての調査を行い、回答を得た。さらに、ラオスにおける自律的・持続的なデータ収集、解析のための課題と支援の方策を検討していくために、タスクフォース内でのミーティング(2回)とメンバーに対する研修を行い、課題と支援の方策を検討した。その結果、各地域にある教員養成校を拠点として、データ収集のシステムを確立し、各教員養成校の若手職員をデータを管理運営するマネージャーとして養成していくことになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
25年度は、当初予定していた、ラオスの都市部での調査および継続研究のためのシステム構築を行うことを目的に研究活動を進めた。その結果、予定通りに、ラオスの首都(ビエンチャン市)とビエンチャン県、ラオスの北部(ルアンパパーン県)および中南部(サワンナケート県)の都市部の合計4地域の中学生および高校生(合計5000名)から回答を得ることができた。また、ラオスの中南部の農村部においても同様の調査を行うことができた。現在、引き続きデータ収集および分析の段階ではあるが、得られた暫定結果を、国内および海外の学会で報告し、また、論文としてもまとめることができた。さらに、ラオス政府にその成果を逐次報告することができている。さらに、ラオスにおける自律的・持続的なデータ収集、解析のための課題と支援の方策を検討していくために、タスクフォース内でのミーティングやメンバーに対する研修を行い、課題と支援の方策を検討できているため、また、今後、他国で調査を進めていくためのネットワーク作りも順調に進んでいるため、当初計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定としては、ラオスで開発した調査手法を応用させて、カンボジア(プノンペン)およびベトナム(ハノイ)の首都にある国立大学の附属中、高等学校の中・高校生(300名)、2カ国合計で600名を対象として調査を行っていく予定である。そのために、今後は、関係者訪問、初期調査(翻訳版作成)、プレ調査を経ていく必要がある。また、次年度の課題であるアジア諸国の学校保健研究の発展と研究ネットワークの強化のための方策と課題の検討については、研究成果を報告するHP立ち上げるとともに、ラオスにおいて研究成果を報告する会を複数回開催し、その場にアジア諸国の研究者を招くことを企画している。-
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた海外現地調査が、先方とのスケジュールの調整がうまくいかなかったために26年度に実施することになったため、次年度使用額が生じた。 26年度の研究費と合算して、ラオスでの調査のための旅費等として使用する予定である。
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