多種多様なライフイベントは,時にストレスとして身体健康に影響する。本研究は、その生理学的メカニズムを探る目的で追跡調査を実施した。同一参加者に対し、心理社会的ストレス時の血圧反応とその後の回復機能を、平均3.4年以上の期間をおいて2度測定し、性格(楽観性、悲観性、うつ、怒り特性等)と心血管健康度(安静時血圧、BMI、運動時間などから算出される健康度)の心理-生物学的な繋がりを調査した。若年男性計56名の追跡調査から、心血管健康度が年々悪化させる生理学的要因として、悲観性と関連する精神的ストレス回復時の低血圧反応と、これを補償する持続的な交感神経反応が可能性として浮かび上がってきた。
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