研究課題/領域番号 |
24700746
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
劉 欣欣 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 有害性評価研究グループ, 研究員 (10582570)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ストレスマネジメント / 心血管系反応 / 精神ストレス / ポジティブ感情 |
研究概要 |
本研究では,(i)精神作業前安静時の感情が心血管系反応に及ぼす影響,(ii)精神作業中の感情が心血管系反応に及ぼす影響を明らかにするとともに,(iii)ポジティブ感情を用いたストレスマネジメントの可能性について検討する. 本年度は(i)精神作業前安静時のポジティブ感情が心血管系反応に及ぼす影響について検討した。先行研究(Bostock et al., 2011)では、普段からポジティブ感情が高い人は精神作業後の血圧回復が早いことが示唆されたが,精神作業前安静時の感情状態が作業中の心血管系反応に及ぼす影響については明らかとなっていない。そこで本研究では、日本語版POMS及び日本語版PANASを用いて精神作業前の安静時の感情状態によって、実験参加者をポジティブ感情群とネガティブ感情群に分け、作業中の心血管系反応を比較し、ポジティブ感情が心血管系反応に及ぼす影響について。実験を実施するため、①実験環境の整備、②調査票の選定、及び③作業課題の作成を行った。まず、①作業課題と生理指標の測定を同時に制御できる高速データ取込解析システム(MP150)を購入した。次に、②作業前安静時の感情状態を測定するための指標を検討した。作業前安静時の感情状態の測定には、日本語版POMS、日本語版PANASを用いることとした。さらに、実験中の感情変化の影響も考慮するため、複数回の測定を念頭に短時間で回答可能な二次元気分調査票も用いることとした。また、③作業課題として、2つの認知課題を用いることとした。1つ目の課題は、研究代表者が日頃から使用している認知的葛藤課題(Stroop Color Word Task)を、2つ目の課題として持続的注意課題(Sustained Attention to Response Task)を研究協力者から提供してもらった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験環境の整備、調査票の選定、及び課題の作成を終え、実験プロトコールを確定するための予備実験を行った。現在募集中の実験参加者が予定人数に達し次第、本実験を開始する予定である。また本実験では当初の研究計画を拡張し、複数の作業課題を用い、さらには実験中(例えば、作業前後)の感情状態の変化を測定することによって、より詳細にポジティブ感情の影響を検討することが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の2年目となる平成25年度は、まず平成24年度に完了することができなかった(i)精神作業前安静時の感情が心血管系反応に及ぼす影響、の遅延分に取り組む。その後、平成25年度の計画に従い、(ii)精神作業中の感情が心血管系反応に及ぼす影響を検討するための実験を実施する予定である。また平成25年度には(i)について、データの解析を進め、年度内に実験成果を学会にて報告する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は3年計画の2年目となる。上述した実験を行うため、次年度の研究費(約144万円)は主に被験者謝金(90万円)を支払う予定である。また、学会発表や研究協力者との打ち合わせ旅費(40万円)、実験消耗品(14万)を使用する予定である。
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