研究概要 |
平成24年では、一過性の低強度運動後一時間は海馬BDNFが急激な上昇するタイムポイントであることを確認した。恐怖記憶の消去では、一日目に実験動物に対してコンディションニングチャンバー内で恐怖条件付け実験を行う、文脈恐怖の訓練した。二日目に一過性の低強度運動1時間後、電極刺激を取り除く以外は同一の実験条件で、実験動物をコンディショニングチャンバー内に15分間実施した。これは、文脈恐怖の訓練の後、正確に24時間及び48時間であった。動物の行動が止まり、静止している状態を“すくみ行動”と定義し、コンピューターソフトを用いて1分間間隔で“すくみ行動”を自動的に記録された(Wemmie et al., PNAS, 2004)。その結果、一過性の低強度運動により、三日目にすくみ行動の有意に減少を示した。平成25年では、一過性の低強度運動によるどのような分子機構が恐怖記憶の除去に関わるか、その分子基盤を明らかにしていた。その結果、一過性の低強度運動後、海馬BDNF mRNAの急激な増加をRT-PCR法で見られた。一過性の低強度運動後一時間は海馬BDNF mRNAが急激な上昇するタイムポイントであることを確認した。また、一過性の低強度運動後、海馬TrkB (BDNFの受容体)の変化をウェスタンブロット法で見られませんてした。関連シナプス分子および関連恐怖記憶分子MCT2 (Robinet and Pellerin, Neuroscience, 2011; Suzuki et al., Cell, 2011)もウェスタンブロット法で検討した。その結果、一過性の低強度運動後一時間は海馬MCT2が急激な上昇するタイムポイントであることを確認した。これは、一過性の低強度運動が恐怖記憶の消失効果があることを示している。また、この減少は一過性の低強度運動一時間後、海馬BDNFとMCT2の急激な増加の関与を示唆している。
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