先進国においては「肥満」と「結核」の低所得者層への集積が懸念される。結核菌感染がメタボリックシンドローム病態に与える影響についての基礎的知見を得るべく、本研究は弱毒ワクチン株BCG菌を用いた検証を行った。肥満マウスへのBCG菌接種はメタボリックシンドロームの基盤病態である「インスリン抵抗性」の改善を示していた。さらにBCG菌接種は肝臓の脂肪合成と脂質蓄積を顕著に抑制していた。培養肝臓細胞を用いたところ、脂肪酸暴露による小胞体ストレスの発生をBCG菌は抑制しており、その結果としてインスリン抵抗性が緩和されることが明らかとなった。
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