平成25年度には、水中および陸上ランニング時の生体応答に関する以下の研究を行った。 本研究の目的は、最大運動条件下での、水中ランニング時のバイオメカニクス的応答、生理学的応答および主観的運動強度(Rating of Perceived Exertion (RPE))を、陸上ランニング時のそれらと比較検討することであった。健常成人11名に対して、プールおよび陸上トレッドミルにおいて、運動負荷試験を実施した。各被験者における最大運動条件下での水中および陸上ランニング時の生理学的応答(酸素摂取量および心拍数)、RPE、バイオメカニクス的応答(筋活動および関節角度)、速度および歩数を測定した。筋活動測定での被験筋は、右側の大腿直筋、大腿二頭筋、前脛骨筋および腓腹筋の4筋であった。また、運動試験実施前に、各筋の最大随意収縮の測定を実施した。その結果、最大運動条件下での、水中ランニング時の酸素摂取量、心拍数、下肢筋活動量および歩数は、陸上ランニング時と比較して、有意に低かった。しかしながら、最大運動時でのRPEには、水中および陸上ランニング間で、有意差はみられなかった。これらのことから、運動負荷試験を実施する環境(水中や陸上)は、最大運動時の生理学的応答およびバイオメカニクス的応答に影響を及ぼす可能性が示唆された。本研究結果は、現在、詳細な解析を進めており、学術論文として国際誌に投稿準備中である。 また、平成25年度には、平成24年度に実施した、種々の歩数条件下での、水中および陸上ランニング時のバイオメカニクス的応答およびRPEに関する研究論文の執筆も行った。本研究成果は、既に国際誌に投稿中である。
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