本研究の目的は、鍼刺激がヒトの循環調節機能に及ぼす最適な刺激条件を確立することであった。実験1では、鍼の刺鍼のみが血圧と心拍数応答に及ぼす影響を検討した。実験2では、鍼通電刺激の周波数条件の違いによる影響が、血圧と心拍数反応の経時的変化に及ぼす影響を検討した。実験3では、鍼通電刺激の通電強度の違いが血圧と心拍数反応に及ぼす影響を検討した。実験4では、徒手と通電によるそれぞれの鍼刺激が血圧応答に及ぼす影響を検討した。実験5では、鍼刺激の刺激部位の違いが、心拍応答に及ぼす影響を検討した。本研究の結果は、ヒトの循環調節機能に影響を及ぼす最適な鍼刺激条件を確立する上で有用な基礎データを提供した。
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