本研究の目的は,高齢者の日常身体活動を加速度センサー付体動計の時系列データを詳細に分析し,免疫機能の確保に最適な身体活動の時間帯(タイミング)を明らかにすることであった.対象者は,1年間にわたり,多メモリ加速度計付歩数計を腰部に装着し,1日の歩数と中強度活動時間を評価した.免疫機能の指標として好中球貪食能ならびに分泌型免疫グロブリン Aを測定した.好中球貪食能と歩数,また,分泌型免疫グロブリン Aと歩数,中強度活動との間に有意な相関関係が認められた.日常身体活動は,免疫機能の維持に貢献すると思われた.ただし,免疫機能を維持するための最適な身体活動のタイミングは不明なままである.
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