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2013 年度 実施状況報告書

関節トルクによる寝返り動作の解析とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24700786
研究機関信州大学

研究代表者

堀場 洋輔  信州大学, 繊維学部, 助教 (00345761)

キーワード寝心地 / 寝返り / 回旋トルク / 寝具 / 快適性 / 睡眠
研究概要

寝具設計あるいは介護分野において,寝返りのしやすさに関する研究が進められている.その中で,骨盤の回旋が寝返り動作における最大のタスクであることが明らかになっている.本研究では,寝返りのしやすさを定量的に評価する手法を確立するために,寝返りの際の腰部の回転トルクと寝返りのしやすさとの関係を明らかにし,さらに寝返りのしやすさを向上させる寝具・寝巻の条件を特定することを目的としている.
24年度の研究により,骨盤回旋に要する回旋トルクの大きさが寝返りのしやすさに関係している可能性が確認された.さらに,寝巻の摩擦係数が寝返りのしやすさに影響していることも示唆された.しかしながら,試料として用いた寝巻は,摩擦特性だけではなく,着衣の形状・ゆとり量,剛性,重量などの特性も異なっていたため,必ずしも摩擦係数のみが原因とは断定できなかった.そこで25年度は摩擦以外の特性を可能な限り統一した4種類の試料を作製し,寝返りのしやすさと関節トルクの関係について実験を行なった.その結果,寝返りのしやすさと寝巻の平均摩擦係数(MIU)の間には負の相関が見られ,寝返りのしやすさと表面粗さ変動(SMD)の間に正の相関が確認された.また,昨年度の研究と同様に,腰部の回転トルクが大きい場合,寝返りのしやすさを感じることが確認された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

25年度は寝返り動作に対する寝具特性の影響を明らかにするために,硬さ分布の異なる寝具を用いて寝返り動作における腰部回転トルクについて計測する予定であったが,予備実験を重ねる過程で,寝具と寝巻の表面特性について十分に検証できていないことが判明したため,計画を変更し,上記の実験の概要で述べた実験を行なった.そのため,当初の予定に比べ,達成度はやや遅れている状況である.

今後の研究の推進方策

過去2年間の研究により,寝返りの際の骨盤の回転トルクを推定するアルゴリズム,およびシステムについて構築を行なった.しかしながら,回転トルクを計算する際に加速度センサから得られた角速度を用いるため,座標変換や角加速度の算出等における微分演算により誤差が蓄積しやすく,結果的に推定された回転トルクにも少なからず誤差が含まれていることが考えられる.
そこで,26年度はまず,回転トルクの推定に加速度センサを用いる代わりに,モーションキャプチャシステムを用いることを検討する.モーションキャプチャシステムは,ワールド座標系で身体セグメントの座標時系列が得られるため,加速度センサで必要であった座標変換やノイズ除去等の処理が不要になるため,推定した回転トルクに含まれる誤差を低減できるものと考えられる.そして,モーションキャプチャシステムによる計測システムの妥当性を確認でき次第,26年度の目的である寝返り動作のしやすさに影響する寝具特性を解明する予定である.具体的には,寝具の硬さとその分布を段階的に変化させ,各条件における回転トルクの仕事を求めることにより,寝返りのしやすい寝具の条件を解明する予定である.

次年度の研究費の使用計画

研究の進捗状況により,当初予定していた寝返り動作計測用ビデオカメラ,ベッドマットレスの購入を次年度に繰越したため,次年度使用額が生じた.
硬さの分布が異なる寝具における関節トルクの計測を26年度に行なうこととし,次年度使用額はその経費に充てる予定である.具体的には,寝返り動作を記録するためのビデオカメラ2台,硬さの異なるベッドマットレス3種類を購入する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 寝返りのしやすさと腰部回転トルクとの関係に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      堀場洋輔,福永向人,乾滋,渡邉沢美
    • 学会等名
      平成25年度繊維学会年次大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      20130612-20130614
  • [学会発表] 加速度センサによる寝返り動作の解析

    • 著者名/発表者名
      堀場洋輔
    • 学会等名
      平成26年度第1回感性応用計測研究会
    • 発表場所
      信州大学繊維学部

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公開日: 2015-05-28  

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