本研究では、生活習慣の乱れによる健康問題や、室内の環境整備についての関心の低さが指摘される大学生を対象に、シックハウス症状、化学物質への過敏性、ストレス状態、生活習慣、環境整備行動の実施状況や知識について質問紙調査を平成25年度に実施した。平成26年度にはこの調査結果の分析を進め、結果の一部を日本建築学会2014年度大会学術講演会(兵庫)、日本家政学会関西支部第36回(通算92回)研究発表会で報告した。 質問紙調査の結果、住環境が原因のシックハウス症状有訴者は全体の約2割で、皮膚・粘膜刺激症状がやや多かった。また、シックハウス症状の有無による心理的ストレス反応・身体的ストレス反応や化学物質への高感受性には有意差がみられ、関連性が示唆された。 シックハウス症候群の有訴は、家具の購入歴やちり・ほこりの量などの影響が大きいことが明らかとなった。知識について、「シックハウス症候群」「ホルムアルデヒド」については「聞いたことがある」「内容を知っている」と回答した割合が全体の7割以上であったが、「F☆☆☆☆マーク」や「室内環境配慮マーク」については全体の2割程度にとどまっており、対策に関する知識不足がうかがえた。
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