研究課題/領域番号 |
24700798
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
能見 祐理 お茶の水女子大学, 生活環境教育研究センター, 研究機関研究員 (20614887)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | メイラード反応 / 水溶性ビタミン / ピリドキサミン |
研究概要 |
本研究は、アミノ基を有するビタミンのメイラード反応生成物の探索と構造解析による同定、およびその動態の解析を通してビタミンが関与するメイラード反応に関する基礎的知見を得ることを目的とする。 平成24年度は、各種モデル反応系でのビタミン由来メイラード反応生成物の探索を行うとともに、各種反応条件とビタミン量のとの関連について検討することにした。糖とアミノ基を含むビタミンを各種反応条件下で反応させた反応溶液を作製し、褐変度やビタミン残存量について定量するとともにDAD-HPLCにて分析を行い、反応生成物の生成状況を確認した。また、これらビタミンが糖-リジンのモデル反応系に与える影響についても同様に解析した。 結果、検討したビタミンのうち、ピリドキサミンが糖と共存した場合に最も消費されていたことから、メイラード反応によって消費されている可能性が示唆された。また、五炭糖であるキシロースとピリドキサミンとの反応モデル系で、メイラード反応由来の生成物と思われる化合物のピークを検出した。このピークは、キシロース-リジン反応系にピリドキサミンを添加した系においても検出され、その生成量はリジン共存下で増大することが確認された。したがって、この化合物はメイラード反応によって生じた反応中間体を捕捉して形成された可能性が高いと考えられた。 現在、この化合物について生成条件の検討を進め、単離および構造解析を試みている。また、ピリドキサミン由来のメイラード反応生成物を網羅的に解析するためにLC-MS/MSメソッドの構築についても検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の計画の目的であった各種ビタミンがメイラード反応に及ぼす影響について基礎的なデータを得ることが出来たとともに、キシロース-ピリドキサミン由来のメイラード反応生成物を探索できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今回見出された五炭糖とピリドキサミンのメイラード反応生成物の単離と構造解析を進める。また、ピリドキサミン由来のメイラード反応生成物を網羅的に解析することを目的として、LC-MS/MSメソッドの構築についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
化合物の単離のため各種クロマトグラフィーを行う必要があり、そのための試薬代として使用される。また、新たにLC-MS/MSメソッドを構築する必要があるため、新しい分析カラムの購入やその溶媒に使用される。
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