パン製造時に添加するビタミンCが、ドウ中でスーパーオキシドアニオンラジカル(以下、O2-)を発生させ、小麦タンパク質間でSS結合重合体形成を促進し、品質改良効果をもたらすか検討した。L-AsA、D-AsA共にドウ中でO2-を発生したが、品質改良効果を示す添加濃度は異なった。リボフラビンも、顕著な品質改良効果を示したが、L-AsAと共存すると、効果が抑制された。共存したL-AsAがラジカル化し、ドウ中で安定化すると、品質改良効果を阻害すると考えられた。 以上の結果より、パンのSS結合重合体形成促進は、O2-が関与する系が存在し、この機構を豆腐などの品質改良効果に応用できる可能性が示唆された。
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