本研究では、培養液のビタミンC濃度を、血液中よりもはるかに高い濃度(5 mM)になるように設定し、細胞内外のビタミンCの濃度を高めることで、細胞内の炎症抑制因子の生成が促進される可能性が示唆された。しかし、ビタミンCの炎症抑制因子に対する直接的な作用経路や免疫応答の体系的な作用機序については不明な点を多く残していることから、今後は、免疫応答へのビタミンCによる直接的な影響と、生体内の種々の環境因子との相互作用からもたらされる間接的な影響とを分け、両面からの検討を進めることが重要であると考えている。
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